病院では、患者さんの状態に応じて、2種類の部屋が用意されています。1つは、一般病棟。急性の病気の患者さんを対象としたもので、治療によって短い入院期間で退院する人向け。短い期間で集中的な治療を行うため、医師や看護師が多く配置され、病気の変化に対応できる高価な設備が必要です。もう1つは、療養病棟。慢性的な病気で、長期の入院を必要とする患者さん向け。病気の変化が激しくないため、医師や看護師は少なくても対応できますが、日常生活をサポートする介護スタッフが必要となります。では、これらの入院費用はどのように決まるのでしょうか?
結論から言うと、「入院基本料+オプション」が「入院料金」になります。
入院基本料とは、一日あたりの宿泊料金のようなもので、医師の診察料や、看護師の看護料などを含めた料金となります。そして、入院基本料の料金設定の目安となるのが、「看護配置」と「平均在院日数」でしょう。看護配置とは、看護職員1人あたりの患者さんの人数です。看護配置が10:1となっている場合、患者さん10人あたり看護職員が1人いる状態となります。もし30人の患者さんが入院している病棟の場合では、3交代制として9人以上の看護職員が働いているということになります。看護職員は、正規の資格を所持した看護師と、補助職員を合わせた人数で、平均在院日数とは、患者さん1人あたりの入院日数の平均となります。早く退院する患者さんが多ければ平均在院日数は短くなりますし、逆に、長く入院する患者さんが多い病院では平均在院日数も長くなります。一般病棟の入院基本料は、この「看護配置」と「平均在院日数」によって料金が決められています。
オプションとは、病気を治療する上で、検査や薬、手術などを行ったときに、その病気によってそれぞれ内容が違ってきますので、これがオプション料金となります。療養病棟に入院した場合は、病気の種類や重症度によって医療区分1~3、日常生活の制限や介護の必要性によってADL1~3に判定し、それによって料金が設定されます。そのため、重症患者を多く受け入れている病院では、重症患者の少ない病院より少し高い料金となります。
このように病院の入院料金は、検査、薬など患者さんの治療にかかった料金を合計して計算するといったものでしたが、ここ数年、大病院を中心にDPCという定額払い制が導入されています。
DPCでは、病名や診療内容から患者さんの病気を分類し、その分類ごとに1日あたりの入院費用が決められます。これには、薬、看護、室料などが含まれますが、別料金となる手術やリハビリなどと組み合わせて計算することになります。入院初日から数日間は高い料金が設定され、入院日数が伸びるほど料金が減額されていきますので、より短期間でより安く病気を治す、効率的な医療のための支払い制度となります。
医師が患者を診察したときの対価が診察料です。診察料は基本診療料と指導管理料の合計です。基本診療料は診療の内容にかかわらず、医師が診察をした際にかかる費用で初診料、再診料などがこれにあたります。指導管理料は病気ごとの診察料金で、病気の状態に応じて細かく分類されています。続きはこちら
ドロドロ血液は体に悪く、サラサラ血液は体に良いという俗説があります。ドロドロ、サラサラは血液の粘性の表現ですが、実は血液の粘性が高くても、低くても体にいいことはありません。どちらも体に異常がある、あるいは異常をもたらす可能性のある状態です。体は、自分自身の身体機能を常に一定に保とうという性質がありますから、血液の粘性も普通の状態で保たれるのが正常なのです。続きはこちら
薬はそもそもカラダにとって異物です。人間はカラダに必要な成分は食べ物から摂取しています。薬は食べ物ではなく、人工的に作られたものなので、異物なのです。正しく飲まないと副作用が出て、カラダに害を与えたり、あるいはまったく効果が出なかったりします。医師の指導や服用の際の注意書きなどを確認して守るようにしましょう。続きはこちら